前回書いた外貨預金についての続きです。
外貨預金の代わりとなる似た金融商品にFXのレバレッジ1倍があります。
FXはレバレッジを掛けるとリスクの高い金融商品ですが、レバレッジ1倍の場合には外貨預金と同じように金利(スワップポイント)を得ることができます。
しかし、為替の変動リスクにさらされ、高金利を得られるという意味では似ていますが、基本が異なる商品のため違った性質も持っているので少し自分なりに整理してみたいと思います。
ちなみにここで指す外貨預金は国内銀行でよく宣伝されるの低金利高手数料(当初3ヶ月間だけ6%でその後は非常に低い利率だが、手数料は非常に低くむしろグロスではマイナス金利?)のものではなく、海外の金融機関へ預ける外貨預金を想定しています。
外貨預金とFXのそれぞれの性質
■外貨預金
・基本的には金利が固定され複利運用
・預け先の銀行の信用リスクを負う
・口座の変動がないと凍結されることもあるらしい(よく知りません)
・現状は金融機関向けの海外送金は非常に高額な手数料が取られるため、いざという時の換金性が劣る
・当然全て現地の言語、日本の支店経由だとだいたいが商品性が不利
■FX
・基本的には金利に当たるスワップは日々変動する、証券会社のサービスにより複利も単利もある
・運用先の証券会社の信用リスクを負う。信託保全によりヘッジされている?
・口座の凍結の話は聞いたことがない
・手数料はきわめて安い。金融商品の中ではおそらくもっとも競争が激しく手数料が下がったものの一つ
・日本語なので安心
つづいて今とは違う状況になった場合を想定してみます。
(ケース1)日本の金利上昇
外貨預金では影響なし、FXではスワップが減り、場合によりマイナスになることもありうる。
(ケース2)現地の金利上昇
外貨預金では影響なし、FXではスワップが増える
(ケース3)日本円が円高に振れる
外貨預金、FXともに為替差損が生じる、FXもレバレッジ1の場合基本は同じ
(ケース4)日本円が円安に振れる
外貨預金、FXともに為替差益が生じる
このように為替リスクにさらされていることについてはほぼ同じ影響を受けます。
しかし、長らくゼロ金利政策で忘れ去られていますが日本の金利が上昇した場合には異なる影響が生じそうです。
特に日本の金利が大幅に上昇した場合のみマイナス金利の可能性がある点ではFXが相当不利かもしれません。このときもしも円高だったらポジションの解消もできずスワップがマイナスになり目も当てられなくなるかもしれません。
世間では、日本国債の大量発行&団塊の世代の定年退職による未消化リスクにより数年から10年後ごろまでの間には日本の金利が上昇する局面があるかもしれないといわれていますので、FXで長期運用の場合にはこの点のみ少し注意が必要かもしれません。