(画像は楽天より)
2%インフレを目指すというニュースが出ていますので2%のインフレについて考えてみたいと思います。
インフレってことはモノと現金の価値が変動するわけで価値が下がるものと上がるものがあります。
◆価値が下がるもの(損するもの)
現金、低利もしくは固定利率の預金、固定の安定収入(給与、賃料収入等)
◆価値が上がるもの(得するもの)
固定利率の借金、固定の支出(支払賃料、人件費(従業員への支払給与))
◆価値が変わらないもの(値段が上がってもその分貨幣価値が落ちるのでイーブン)
モノ、土地(土地を買っても現金の価値が下がるだけなので土地の価値が上がるわけではありません)
変動利率の収入、変動利率の借金
とまとめてみて企業がインフレを望む理由がよくわかりました。
給与を増額しなければ、インフレの分だけ自然と人件費が減るわけでこんなに美味しいことはありません。
今の世の中、リスクを取らずに2%のリターンを得るのは、国債利回りが1%であることを考えても不可能です(物価連動国債なら可能かもしれませんが、国債の発行残高考えると全くオススメしません)。
そうすると2%インフレにおいては、リスクを取らない限り毎年資産が2%目減りします。それに対抗して資産を維持するためには、リスクを取ってビジネスなり投資なりしなければならない。つまりリスクを取るための強力なインセンティブになるということです。
私自身インフレの効果には懐疑的でしたが、意外と面白い結果が生じるかもしれないなと、これを書いていて思いました。
もし書いている内容で誤っているところがあればどなたか突っ込んでくださると助かります。
2013年1月追記
よくインフレになるのに変動金利で家を買ってしまったどうしよう、とおっしゃる方がいるかと思います。
しかし、土地も変動金利のローンのどちらもインフレでは価値は変動しません。インフレで価値が変動するのは返済原資となる固定給与の方です。固定給与は、インフレに合わせて給与を毎年2%づつ上げるように雇い主に交渉して、はじめて価値が維持されるというインフレには極めて不利なものだという認識が大切なように思います。