最近3Dプリンターが注目されています。
ところがこれって別にずいぶん前からとある分野ではよく使われていました。それはホビーロボットの分野です。
私自身KHR−2HVという近藤科学のドノーマルのホビーロボットを持っていますが、上級者になると3D CADという設計ソフトで図面を書いた上で、加工のみ行ってくれる業者に発注するというのは有名な話でした。
これは金属加工のこともあれば、樹脂であれば3Dプリンターで印刷というものでした。
つまり、3Dプリンター以前にまあ理系の人なら使える人もそれなりにいる3D CADという設計ソフトを使うという大前提があります。その上で、3D CADで設計した時の強度計算により、柔らかな部材であれば3Dプリンター、強度が必要なものであれば金属加工という使い分けを元々行っているわけです。
で、正直なところ柔らかい部材と強度が必要な部材とどちらが重要性が高いかと言えば強度が必要な金属加工なわけです。
ですので、まずはアルミ合金あたりの金属加工の基礎である穴あけ、切断、折り曲げあたりをするための道具の方が先かなと思ったりするのです。
そしてそもそもの話ですが、設計以前に実際に自分で加工しないと金属ごとの特性とかわからないので設計も何も出来ないと思うんですよね。例えば金属は90度に直角には曲がらないとかね(Rが必要)。
金属加工はもちろん専用工具の方が便利だけど、DIYなら下の工具とかで十分だと思います。
穴あけ:電動ドリル(コード式が安いです。外で使うなら充電式も便利)+金属用のドリル
折り曲げ:曲げ機の代わりの万力(1,000円ぐらいからあります)
切断:ミニサーキュラーソー(汎用的なグラインダーでも何でもいいです)+金属用の刃
上のような工具を使って様々なものを作りながら設計や物づくりの基礎を学んだ上で、じゃあやわらかいものについては木工やアクリルや型取りでもできるけど、多少面倒なので3Dプリンターも使ってみようという方が流れ的にはいいのかなと思ったりします。
ものづくり自体は楽しいので多くの人が興味を持つことはよいことだと思いますし。
3Dプリンターについてのニュースを書いている方々は必ずしも物づくりをしたことがある人とは限らないので、いきなり素人さんでも何でも作れますという雰囲気で紹介しているかと思いますが、物づくりにも段階があるのかなと思ったので、こんなことを書いてみました。少しでも多くの方々の物づくりの参考になればと思います。