香港という獅子身中の虫を中国に植え付けたイギリス

香港という獅子身中の虫を中国に植え付けたイギリスCool Samurai Blog20130806-233231.jpg

最近、香港での民主化のデモが大きく取りざたされています。

海外投資を考える上でアジアの香港については押さえておいたほうがいい場所なのでそれなりに私としても注目しています。

 

ところで香港というとイギリスの一部だったので中国への返還前はとても民主的であったのに、中国返還後に民主化が制限されて不満となっているイメージがありますが、これはイギリス式のイメージ戦略に近いかと思います。

 

なぜかというと、香港が中国に返還されたのは1997年ですが、香港自体が大きく民主化されたのはなんとそのたった2年前の1995年のことなのです。

 

「クリストファー・パッテン総督が 1992 年に発表した選挙制度改革により、香港の民主化は一旦ピークを迎えた。1995 年 の立法局選挙において直接選挙枠が拡大し、職能団体別の間接選挙有権者も直接選挙有権者数の 10 分の1から半数にまで大幅に増加し、立法局の過半数を民主派が占めるに至った。また、区議会や市政局・区域市政局でも任命議員が 廃止され、民選化が進められた。」

(引用:「返還後香港政治の 10 年」竹内孝之著 アジア経済研究所 P31

 

つまり、イギリスの植民地時代の大半は民主化されていなかったにも関わらず、1984年の英中共同声明によりイギリスが香港を中国に返還することが決定し、返還間際になってからイギリスは香港の民主化を大きく押し進めたわけです。

 

当然、中国からすればこのイギリスのやり方を理不尽と思うのは当然なわけで、理は中国にあると考え、香港の民主化を防ごうとする力が働きます。

 

また、あまりに長期間の取り決めのためあまり認識されていませんが、香港の一国二制度は2047年(今から33年後)までの期限のある約束であるため、それ以降は中国本土と同じ社会主義政策(あくまで経済政策ですが、政治と経済は表裏一体のため、中国本土と同じ共産党の一党独裁政策も導入される可能性が高いかと思います)に変更されると考えられます。

 

このため、香港において、あまり中国共産党の意思が通らない状況は望ましくないと考え、徐々に圧力を掛け今回のデモの発端となる運用の変更を決定しました。

ただ、香港市民は一度民主化の味を知ってしまったためにこのような中国本土からの圧力を嫌い今回のデモのような動きとなりました。

 

イギリスは今は強国となった中国と友好的な対応をしていますが、昔からこのような政策を好む国ですのでその実相当したたかな国だと思います。




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