海外会社設立編 銀行口座の開設に失敗と株主名簿のアポスティーユ認証

海外会社設立編 銀行口座の開設に失敗と株主名簿のアポスティーユ認証Cool Samurai BlogF001

ハンガリーに会社(Kft.)を設立し、無事に登記は完了しました。

次に行うのは資本金である300万フォリントの払込を行うためのハンガリー国内での銀行口座の開設です。

 

まずは、弁護士さんと共に会社を登記したSzeged市にある銀行で口座を開こうとしましたがうまくいきませんでした。

次に今後の拠点として考えている首都のブダペストに戻り銀行口座を開設しようとしました。

 

ビジネス用の銀行口座の開設のためにはハンガリー語のわかる通訳が必要とのことでしたので、こちらも急遽手配しました。

しかし、銀行からは書類が足りないと言われ開設できません。

最終的に唯一足りないと言われたのが設立するハンガリーの会社(Kft.)の親会社である日本の株式会社のその株主が誰かということです。

 

会社の実務に詳しい方ならわかるかと思いますが、ハンガリーとは異なり日本では株式会社の株主は登記事項ではありません

このため、日本では株式会社が自らの株主が誰であるか株主名簿を作り、株主が現在誰であるか表明する制度となっています。

 

 

若干ぶっちゃけると株式会社の代表取締役である私が株主は100%私だけですよと表明するわけで、確かにほんとかよって思われなくもありませんが、日本の制度上これしかない正式な方法なのです。

 

ところが、ハンガリーの銀行に対してはこれが全く伝わりません。

完全な書類である株式会社の代表取締役である私自身が作った英文の株主名簿を提示するも、これでは証明にならないと言われました

公が認めた登記情報に株主についても記載があるはずだと言われ困ってしまいました。

結局、今回のハンガリー出張では銀行口座を開設することができず資本金も振り込めませんでした。

 

帰国後も速やかに口座の開設と資本金の払い込みを行う必要があったため、この問題をどのように解決すればいいのか頭を悩ませていました。

そこで監査法人の駐在経験のある先輩に相談したところ、株主名簿にアポスティーユ認証をすればいいのではないかとアドバイスをもらいました。

 

アポスティーユ認証については外務省のページが参考になりますので興味がある方は下記のリンク先をご覧ください。
公印確認・アポスティーユとは
要は私文書に対して、外務省が認証してくれるというものです。

外務省の認証といっても実際には公証役場が対応してくれます。

早速公証役場に連絡を取り、アポイントを取った上で実際に株主名簿にアポスティーユ認証をしてもらいました。

 

やっかいなことにハンガリーでは英文以外に日本語の記載があるとハンガリー語への公式訳を求められます。

アポスティーユ認証には英文の他にわざわざ日本語も併記されるのでこれが引っ掛かりました。

日本語の併記さえなければ翻訳代が浮いたのにとは決して思いません。

弁護士に依頼しこの認証書類をハンガリー語へ公式訳するためにスキャンデータを送信後に原本を日本からハンガリー宛に送りました。

 

ただ、あまり馴染みがないアポスティーユ認証に何が書いてあるかちょっと説明すると

「株式会社〇〇の代表取締役◇◇は、当職の面前で添付書面に署名押印した。以下余白

よってこれを認証する。 公証人△△ 東京法務局長□□ 外務省 ■■」

という内容なのです。

 

これって目の前で署名押印したこと以外は内容にも触れず特に何も証明してなくね?と思わなくもありませんが、こちらのありがたい書類とそのハンガリー語訳を後日銀行に提示したところ、一発で銀行口座が開設され無事に資本金の払込もできたので、とてもありがたい書類だと時々拝んでいます。

 

そういえばブログ記事で海外会社設立の詳細ってあまりないなと、ふとこの記事を書きながら思いました。

何かの参考になれば幸いです。


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