橘玲氏の「永遠の旅行者」を読みました

橘玲氏の「永遠の旅行者」を読みましたCool Samurai Blog

橘玲著「永遠の旅行者」

 

以前から私の好きな著者ですが(参考:橘玲氏の「日本の国家破産に備える資産防衛マニュアル」を読んでみた)、新しい「タックスヘイブン」が先月刊行されたのを機に、氏の代表作である「永遠の旅行者」を読みました。しばらくしたら、新刊の「タックスヘイヴン」の方も読もうと思っています。

橘玲著「タックスヘイヴン」

「永遠の旅行者」は、小説としても読み応えのあるサスペンスものですが、小説を通じて、非居住者となることにより税金を合法的に払わなくて済む方法にどのようなものがあるかについて、具体的な方法を事細かに説明することを目的にしたかのような本です。

これまで断片的にしかもっていなかった国際税務(いわゆる移転価格ではない部分)に関する知識について、この本のおかげでいろいろと体系立てて整理することができました。

 

ただ、この本は9年前の2005年に書かれた本ですので、当然これまでに税制や実務、税務当局の姿勢に大きな変更がありますので、(もちろん非居住者の定義等変更のない部分も多くありますが)このまま鵜呑みにされることは大きなリスクがありますので、その点は注意する必要があります。

 

私自身も定期的な海外生活には興味はありますが、どちらかといえば日本や海外に拠点を作り増やして行きたい考えているため、将来的にも日本の非居住者となるのは難しいので、私自身がこの本に書かれた節税方法を実際行うことはないかと思います。

 

また、永遠の旅行者、いわゆるパーマネントトラベラーという立ち位置については、私としては、入院が必要な大病等でビザ無しで滞在可能な90日等の期間を超えてしまえば不法滞在者となり破綻してしまうといった制約とリスクが多い割に、メリットは節税に限定(多くのサラリーマンが年間に支払う税額は所得税と住民税を合わせても100万円前後程度)されるためそれほど大きくはないと考えています。

非居住者になる他にも合法的な節税対策は多くあることを考えると、メリットとデメリットはちょっと釣り合わないのかなと思います。

 

仮に年間何百万から一千万円を超える税金を払っている高額所得者だとしても、永遠の旅行者の立場でその税額が発生する程の所得(給与所得)を維持することの方がなかなか難しいのかなと思います。

ただ、人づてですが、永遠の旅行者の立場となられても相当稼がれているという方がいるということも知っているので、もちろん不可能な方法ではないですので、一つの参考にしてくださればと思います。




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