「産める国フランスの子育て事情」オススメです

「産める国フランスの子育て事情」オススメですCool Samurai Blog

図書館で「産める国フランスの子育て事情」著牧陽子という本を借りて読みました。

日本では出生率が1.3程度に低迷しているのに対し、フランスでは出生率が回復して2.0前後という話を以前から聞いていたので興味があり手に取りました。

出生率は欧州全体が高いというわけではなく(欧州平均では1.5)、例えばドイツ1.4、イタリア1.3というように欧州の中でも低迷している国と、逆にフランス2.0やスウェーデン1.8と出生率がある程度回復している国とに分かれています。

特に欧州の中でも出生率が高い値に回復した国がフランスな訳です。

 

で、フランスの育児環境が充実しているかというと制度面では日本の方が進んでいるように思いました。

特に日本では最大1年半まで取得できる育児休業制度に対して、フランスでは出産後3ヶ月での復帰が中心で長くても6ヶ月で復帰というのはなかなか大変だと思いました。

保育所についても日本では足りないと言われつつもそれなりの定員数があるのに対し、フランスでは必要数の10分の1程度の定員数と全く足りていません。

その代わりフランスでは、保育ママ制度であったり、ナニー等のベビーシッター利用がその足りない部分を補っているとのことです。

 

フランス等の欧州式と日本式はそもそも子育て方法はかなり違うので欧州式が優れているとは思いませんし、自分の家で日本式(親子で一緒にお風呂に入ったりとか)をやめる気もさらさらないのであくまで参考として読んだという位置付けです。

 

では、なぜ日本では出生率が低迷しているのか?

この本では最後の章に本当にさらっと書かれているだけでしたが、日本では仕事優先の社会であるために父親の育児参加が事実上難しいというのが最大の問題点というのが自分の想いと一致しました。

 

よく日本では、子育て支援として母親が働きやすくする、育児と両立しやすくするという話がでますが、これは問題の半分しか解決しないと思います。

日本での最大の問題点は父親が仕事優先をせざるを得ない企業風土にあると思います。

父親である男性は長時間の残業を伴う仕事をせざるをえないために、事実上特に平日は家事や育児をほぼ行えません。このため、男性である父親が育児をしているという話は7日間ある一週間のわずか2日間の土日のみに限定された話になりがちです。

このため、週の大半を占める平日については、母親である女性が家事と育児の大半を担うという大前提から話がスタートしてしまう、それがそもそもの問題点ではないかと思います。

 

もし、父親である男性も家事や育児を休日だけでなく平日もしっかりとしようと思ったら、保育所の時間の関係もあるので少なくとも6時半とか7時頃には家に着かなければなりません。ここを母親だけでなく父親もするべきという流れが必要なんじゃないかと思います。

 

そうするためには、労働時間は少なくとも定時ぐらいで切り上げる必要がありますので、残業代がでないようにするという残業代ゼロ法案は少子化対策には全く逆行する話だということがわかります。

 

男性が長時間労働をすることの悪影響は女性の仕事との両立にも悪影響を与えます。男性は長時間労働をしている中で女性のみが育児と仕事を両立しようとしても、まず会社での労働(貢献)時間に大幅な差があるため評価や昇進で大幅に差がつきやすく働きづらいです。

もちろん両立している女性も大勢いらっしゃいますが、やはり相当に苦労されています。

 

以上より、私として考える少子化対策は以下の通りです。

・父親である男性が家事・育児により主体的に関わることで、女性である母親の負担を軽減することが少子化対策には最重要であるとまずは社会的に認識する。

・男性の長時間労働をできる限り規制するために制度を変える(残業割増率を拡大、有給未消化は買取義務化等)。

・週5日勤務だけでなく、週3、4日勤務等の柔軟な働き方を非常勤や派遣・契約ではなく正社員としてできる制度を導入する。この時に給与面で同一労働同一賃金(賞与分含む)を義務化する。

 

子育ては母親だけでなく父親も含めた家族全員で行うものですので、夫婦ともに柔軟で働きやすい環境があれば今よりも出生率は改善するのではないかと思い、上記のことを書きました。異論反論等もあるかと思いますが、何かの参考になれば幸いです。




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